ここ数年は毎年のような書き出しになってしまっていますが、今年度もやはり新型コロナウイルス感染症の影響を受けた卒業式・学位記授与式となりました。一生に一度の機会にもかかわらず、従来とは違う形になってしまった点に、やはり残念な気持ちがあることは否めません。
今年度は、会場を例年のホテルに戻しつつ、広いホールを借りて学生間の距離を確保する、卒業祝賀パーティ等は開催しない、ゼミの集合写真を撮影した後は解散するといった方針で行いました。一部は例年のスタイルに戻しつつ、一部は昨年の形式を踏襲するような試みになったといえるでしょうか。
また、昨年同様、ゼミでの写真撮影後には、ゼミの希望者でレンタルスペースを借りて、久しぶりの歓談を楽しみました。会場などでいただいた花は私の自宅に飾らせていただきました。
さて、今年度の4年生は、専門演習の2年間をコロナ禍の中で過ごしたことになります。例年の授業では考えられないような、さまざまな難しさがあったと思います。
どちらかというと、私も皆さんもお互いにマスク姿の方を見慣れているといってもよいかもしれません。コンパや合宿どころか、サブゼミも最小限しか実施できませんでした。グループワークをするにあたって、お互いの距離感も取りづらかったことでしょう。
さらに、例年とは違う要素もありました。
特に男女比を決めてゼミの履修者を採用しているということはなく、履修希望者の応募書類・成績・面接の結果を点数化しているだけなのですが、今年度は男女比も(本学法学部では珍しい形で)大きな偏りがありました。この点ももしかしたら交流のむずかしさにつながった要因といえるかもしれません。
私自身も積極的な交流を働きかけることが上手にできず、正直なところ、力不足を何度も痛感した2年間でした。
しかし、そうした中でも、ゼミから誰も離脱することなく、全員が2年間を共に歩んでくれたことはそれだけで大きな喜びでしたし、私にとって財産にもなりました。
当初、オンラインで必要最低限の接触しかできずに、顔と名前を「覚えられるかな」と不安になったこともありました。しかし、皆さんのゼミ参加への努力のおかげで、今では一人ひとりの特徴まで語れそうな気がします。
3月17日の卒業式を経て教員と学生としての関係は終わりを迎えました。これからは社会人同士の関係となりますね。それぞれの世界でいろいろな知識を得て、次にお会いする時は、皆さんからさまざまな世界の話をお聞きできることを楽しみにしています。
学位記授与式の後に「また会おう」といいましたが、これは口先だけのつもりはありません。また会える日を本当に楽しみにしているね!
卒業おめでとう!