2月9日(木曜日)に、愛知県瀬戸市にある瀬戸少年院に行きました。
名城大学からバスで約40分程で到着すると、少し暗いような独特な雰囲気が感じられました。また、瀬戸少年院は閑静な住宅街の中にあり、少し驚きましたが、これも刑事政策の一つとして機能しているのではないかと思いつつ、敷地内に入りました。敷地内に入るとそこには、緑色の高い壁で囲まれた場所が目に飛び込んでくると同時に、職員関係者が出入りするであろう入り口が見えました。最初に、会議室に案内していただき、様々な話を聞くことができました。
少年院入院者の割合として、傷害や窃盗が多く、覚醒剤取締法違反や援助交際は、女子が圧倒的に多いことが印象に残りました。瀬戸少年院の入所者は全員男子で、入院の半数は大麻の使用です。少年院入院者の被虐待の有無の割合として男子が4割、女子が6割で身体的虐待が多いことが分かりました。面前DV(小さい頃に母が虐待される瞬間を見ること)により男性に対する価値観の歪みが生じ、成人男性からの薬物の勧めを断ることができないという現象があることも分かりました。特に6歳から8歳の頃の虐待は印象に残りやすく、トラウマになることが多く、個々の入院者の特性に応じた指導が必要です。その他にも多くの貴重な話を聞くことができました。
その後に、実際に施設を見学しました。少年院は自身が抱いていたイメージと少し違い、刑務所というよりも学校のような場所で、教室やプール、体育館や工作室などがありました。個人的に驚いたことは、教室の椅子に座布団が敷かれていたことで、私自身が学校に通っていた頃は座布団を敷く行為は禁止されていました。プールや体育館はとても綺麗で、設備は充実していると感じました。入院者が作成した焼物や切り絵、版画や習字などは、とても綺麗で美しく美術館にいるような気分で、中には2週間以上もかけて作られる焼物があり、自分では到底作ることができない作品でした。その他にも、就職や進学のためのサポート、資格取得によるスキルアップ、社会貢献活動などの制度的な部分も充実していると感じました。
今回の少年院見学は、とても有意義な時間を過ごせたと感じました。人から聞くことや、本を読むことよりも、現場に直接足を運ぶことで、それまで分からなかったことや、どこにも書かれていないようなことを知ることができました。まさに「百聞は一見に如かず」です。
最後に私たちの見学を受け入れて下さった瀬戸少年院の方々と貴重な体験を手配して下さった萩野先生、ありがとうございました。