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伊藤

三重刑務所見学

 9月4日(水)三重県津市にある三重刑務所へ見学に行きました。今回は当ゼミのメンバーのほかに、代田ゼミの先生と希望者も参加した「合同企画」でした。


 バスと電車組に別れて現地に向かい、時間通りに無事刑務所に到着しました。


 到着後すぐ、入り口付近にある、大正5年に建築されたレンガ組みの監獄正門、「安濃津監獄」に出迎えられ、三重刑務所の見学が始まりました。


 三重刑務所は、犯罪傾向の進んでいない男子受刑者と男女の未決拘禁者を収容しており、四日市拘置支所と伊勢拘置支所の2つの支所を持つ刑務所です。


 まず、会議室で三重刑務所の説明を受けました。そこでは三重刑務所の特徴を始め、受刑者の1日のスケジュール、三重刑務所独自の特別矯正指導の内容などの説明を受けました。プチ知識やクイズを交えながらの説明だったので楽しく集中して聞くことができました。


 説明の中で、2025年6月1日より懲役・禁錮を拘禁刑に一本化する話が興味深かったです。三重刑務所では、この法改正にあたり、作業と教育を同じ工場で行う、「就労重点処遇」を導入するそうです。この処遇の特徴は、拘禁刑は作業を義務としていないため、その人にあった改善更生を図る処遇を柔軟におこなえるようになることです。それにより、今より個別的な処遇が行いやすい環境になるため、受刑者の改善更生をより促進すると説明していただきました。

 授業でも拘禁刑が一本化し、作業が義務ではなくなるということは知っていましたが、実際に、現場では具体的にこのように運用していくということが学べてよかったです。


 余談ですが、受刑者の食事についての説明の中で、天つゆ事件(受刑者が天つゆをめぐって暴動を起こした事件)の説明をいただきました。授業ではなかなか触れない視点だったので、興味深かったです。


 次に、実際に施設内を見学しました。炊事室や作業工場、受刑者の居室、運動場などを見学しました。3年生の多くは、一般的な刑務所を見学するのが始めてだったため、刑務所のつくりが少年院など他の施設とは異なることを学びました。例えば、受刑者の行動が刑務官にわかるように、トイレがガラス張りになっていることです。

 また、実際に今現在使用している、受刑者の単独室と共同室では、受刑者が部屋に持参できる量が決まっていたり、資格勉強の本が置いてあったりと、自分たちが想像していた部屋とは異なり、新たな発見でした。


 その後、会議室に戻り質疑応答の時間へ移り、施設の方が丁寧に回答して下さりました。その中で、南海トラフが来たらどのような対応についての質問をした時に、三重刑務所は沖が近いことからボートが用意してあることや、浸水した際に2階以上に避難すれば良いことなど、有事の際の対応を刑務所だからこそ、綿密に計画していることが分かりました。


 今回見学を行わせてもらって、個人的に刑務所のイメージに変化がありました。ただ、この変化は実際に見学に行き、施設の内側から情報や経験ができたからだと思います。残り少ない大学生活のうちに、深い情報や経験を学んでいきたいと思います!


 最後に、今回見学させていただいた三重刑務所の皆さん、この機会を設けてくださった萩野先生本当にありがとうございました。




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