1月29日(月)~30日(火)の日程で、兵庫県加古川市にある播磨社会復帰促進センターへ見学に行きました。今回は現3.4年生に加え、新3年生(現2年生)も2人参加してくれました。行きのバスの中で播磨社会復帰促進センターについて萩野先生を中心に事前学習を行いました。
播磨社会復帰促進センターは、官民共働で施設の維持管理・運営をするPFI方式で発足した刑務所です。(PFI刑務所の詳細について学びのコミュニティ創出支援事業にて掲載予定のものをご覧下さい。)
バスを降りて播磨社会復帰促進センターの建物内を見た時の印象は「え?ほんとに刑務所?」でした。床に木材が使用されており、壁の色は明るく、またロビーが吹き抜けになっていたため刑務所には見えない建物の内装をしていました。
まずは会議室で播磨社会復帰促進センターの説明を受けました。そこでは刑務所という性質上、刑務官しかできないこと(権力性が強いもの)と民間の方が行えること(非権力的なもの)が分かれていることや、官民協働運営によって「ありうる作業」としてまだまだ多くの可能性を秘めていること等を学びました。その中で収容者のスケジュールについての説明も受けたのですが、個人的には播磨社会復帰促進センターの作業時間はほかの刑務所に比べてハードに設定されていると感じました。
職員さんによる説明の後、施設の見学へ移りました。
播磨社会復帰促進センターでは小さな作業部屋が複数ある施設でした。播磨社会復帰促進センターの刑務作業は他の刑務所に比べて、プログラミングや介護資格取得の為の講習等、将来に繋がる様々な作業が行われており、さらにはそれぞれの能力に応じて作業内容がレベルアップしていくという、民間の協力を得られているからこそ実行できるレベルの高さを感じました。
その作業部屋の隣には小さな食堂が併設されており、お昼になると作業部屋単位で食事を摂取する、という時間短縮のための工夫がなされていました。
食事を用意するための調理室では受刑者も一緒に調理を行っており、調理師免許を取得する受刑者もいることを学びました。また受刑者用の食事と同時に、近隣にある少年院に送る食事も作られていて、毎日播磨社会復帰促進センターから食事を少年院に運んでいるそうです。
刑務所で行われる定期的なイベントにも少年院と合同で開催されるものがあるそうです。
播磨社会復帰促進センターには複数の中庭もありました。播磨社会復帰促進センターがある場所は元々修道院だったこともあり、その時の木が残されているという説明も受けました。他の刑務所では逃走防止のために高い木が植えられていなかったり、建物も低く建築されていることが多い印象だったので、播磨社会復帰促進センターの高い建物と高い木は個人的にはとても印象的でした。
その後、会議室に戻り質疑応答の時間へ移り、調査官の方が懇切丁寧に回答して下さりました。その中で、受刑者の自主性の尊重と自律性を重要視している、出所後の居場所を作ることも自分たちの重要な仕事の1つであるとおっしゃっていました。それを聞いて私は自分が居て良いと思える居場所の大切さを改めて感じました。
最後に、今回見学させていただいた播磨社会復帰促進センターの皆さん、この機会を設けてくださった萩野先生本当にありがとうございました!
【萩野加筆】
今回の見学は、名城大学「学びのコミュニティ創出支援事業」の一環として計画しました。予算等で支援してくださった大学・関係者の皆様に深く御礼を申し上げます。
なお、見学後は(30名が入れるホテルが加古川に見つからなかったため、)神戸に移動し、事後学習等を行いました。夕食時間や翌朝の散策時間で参加者間の懇親を深めることもできたかと思います。